建物の床面積の算定方法について(建物表題登記)

 

 「床面積」は、建物の物理的状態を表し、建物を特定するための要素の1つで、登記事項の1つとして規定されています。

 

建物の床面積は、各階ごとに壁その他の区画の中心線(区分建物は、壁その他の区画の内側線)で囲まれた部分の水平投影面積により、平方メートルを単位として定め、1平方メートルの100分の1未満の端数は、切り捨てるものと規定されています。

 

 

 

木造の建物の場合

壁の厚さ、または形状にかかわらず柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積です。

 

・軸組構法の場合は、「柱の中心線」とされています。

・枠組壁工法(ツーバイフォー工法)の場合は、「壁を構成する枠組材の中心線」とされています。

・丸太組構法(ログハウス)の場合は、「丸太材等の中心線」とされています。

 

鉄骨造の建物の場合

柱の外側のみが被覆されている場合

鉄骨の柱の外側のみが被覆され、外部と内部空間を隔てている外装材が薄い材料で、内部は構造体が露しになっている場合には、柱の外面を結ぶ線を区画線とし、これに囲まれた範囲の面積を算定する。

 

外装材には、セメント系薄板、金属薄板、サイディングなどの薄い材料(一般に十数ミリメートルまでのくらいのもの)が用いられます。外装材は、構造体である鉄骨に、又は胴縁などの下地材に取り付けられます。

 

構造体の鉄骨の形状は、H型、C型、鋼管などの種類があります。

 

 

柱の両側が被覆されている場合

外装材が、薄い材料であり、かつ構造体である鉄骨が露しとならないように内装材が施されている場合には、柱の中心線を区画線とし、これに囲まれた範囲の面積を算定します。これは、木造の場合と同様の考え方です。

 

 

柱の外壁に壁がある場合

上記の「薄い外装材」ではなく、ある程度の強度と耐久性を持った材料を用いて、柱の外側に外壁を設けている場合は、壁の中心線を区画線とし、これに囲まれた範囲の面積を算定します。

 

外壁の材料としては、PC板、ALC板、押出成形セメント板などのセメント系資材や、断熱材等を挟んだ構造の金属板などの金属系資材が一般に用いられます。

 

 

壁がない場合で床面積を算出すべきとき

外壁はないが、用途性・人貨の滞留性があり、建物又はその一部と認められる部分については、柱の中心線を区画線とし、これに囲まれた範囲の面積を算定します。

 

 

鉄筋コンクリート造の建物の場合

壁構造の場合

「壁構造」は、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の場合で、外壁の中心線を区画線とし、これに囲まれた範囲の面積を算定します。

 

鉄筋コンクリートやPC板などの場合、石やタイルなどの外装材部分又は増し打ち部分及び内装材部分については、壁の厚みには入れず、構造体の中心線をもって算定するのが相当です。

 

・壁がない場合で床面積を算出するべきときは、柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積で算定します。

・壁構造の場合で、各階の壁の厚さが異なるときは、各階ごとに壁の中心線で囲まれた部分の水平投影面積で算定します。

 

 

組積造又は補強コンクリートブロック造の建物の場合

コンクリートブロック、石、れんが等の主要な構造材料の中心線を区画線とし、これに囲まれた範囲の面積を算定します。

 

 

床面積に算入する部分と不算入とする部分

準則第82条

第1号「天井の高さ1.5メートル未満の地階及び屋階(特殊階)は、床面積に算入しない。ただし、1室の一部が天井の高さ1.5メートル未満であっても、その部分は、当該1室の面積に算入する。」

 

地階及び屋階(特殊階)の天井高さの平均の値が1.5メートル以上の場合には、当該1室全ての床面積を算入することとなります。そして、算入することとなる場合、当然に当該部分は「階」として数えられることとなります。

 

一般階に属する一部の室等については、本号の規定は適用されません。

例えば、2階建の建物において、2階の端部等の一部が天井高さ1.5メートル未満の物置となっていても、当該物置部分は、2階の床面積に算入することとなります。

 

小屋(屋根)裏・天井裏物置(収納)や一般に「ロフト」と称される部分、床下物置について、本号の判断をすることが多い。