令和元年記述式過去問(土地)を複素数で解く

このページでは、令和元年記述式(土地)の過去問を複素数を使用して解いていきます。

 


問題文から必要な部分を書きだします。

〇の付いている点は、座標値が判明しています。

 

E点は、直線AB上にあります。

 

G点は、直線FH上にあります。

 

直線EGと直線FHは直角に交わります。

 

座標値が分からない点はD点とG点です。

 

「5番」の土地を甲、乙、丙の3筆に分筆する登記です。

 

 

D点の座標値を求めましょう。

1 まず、D点の座標値を求めます。

D点はT1、T2の基準点からの距離と観測角が与えられています。

器械点がT1、後視点がT2であるので、それぞれの座標値を「X」、「Y」にメモリー登録します。

 

285.36「+」297「ENG」「STO」「)」

電卓の表示画面~286.36+297i→x  285.36+297i

 

285.5「+」312「ENG」「STO」「S⇔D」

電卓の表示画面~285.5+312i→Y  285.5+312i

 

これでT1の座標値が「X」に、T2の座標値が「Y」にメモリーされています。

 

次に、T1からT2への方向角を求めます。

方向角は後視点から器械点を引きます。

 

「OPTN」「1」「ALPHA」「S⇔D」「-」「ALPHA」「)」「=」

電卓の表示画面~Arg(YーX  89.46525492

この値がT1からT2への方向角です。

 

次に、T1からD点への観測角と距離からD点の座標を求めます。

「Ans」には直前の解答である89.46525492の数値がメモリーされています。

 

「ALPHA」「)」「+」4.72「SHIFT」「ENG」「(」「ANS」「+」310「° ′ ″」1「° ′ ″」45「° ′ ″」「)」「=」

 

電卓の表示画面~X+4.72∠(Ans+310°1′45″)  289.0023603+300.0019346i

この数値を四捨五入してD点の座標値は、(289.00  300.00)になります。

 

 

G点の座標値を求めましょう。(交点計算)

G点は、直線EGと直線FHの交点計算で求めます。

 

E点の座標値をメモリーEに入力します。

301.18「+」310.62「ENG」「STO」「COS」

 

電卓の表示画面~301.18+310.62i→E

301.18+310.62i

 

 

F点の座標値をメモリーFに入力します。

290「+」300「ENG」「STO」「Tan」

 

電卓の表示画面~290+300i→F

290+300i

 

 

H点の座標値をメモリーMに入力します。

290.3「+」318「ENG」「STO」「M+」

 

電卓の表示画面~290.3+318i→M

290.3+318i

 

 

 

 

次に、F点からH点への方向角を求めます。

「OPTN」「1」「ALPHA」「M+」「-」「ALPHA」「F」「=」

電卓の表示画面~Arg(M-F   89.04515875

 

この数値が方向角です。 この数値をYにメモリーします。

「STO」「S⇔D」

電卓の表示画面~Ans→y  89.04515875

 

次に、E点からG点への方向角を求めます。

直線FHと直線EGが直交するということは、E点からG点への方向角は、F点からH点への方向角に90°を足した角度ということです。

「ALPHA」「S⇔D」「+」90「=」

電卓の表示画面~y+90   179.0451587

 

この数値が方向角です。この数値をXにメモリーします。

「STO」「)」

電卓の表示画面~Ans→X  179.0451587

 

次に、それぞれの方向角を、tan( )+i の方に変換します。

まず、Xを変換します。

「tan」「ALPHA」「)」「)」「+」「ENG」「=」

電卓の表示画面~tan(X)+i  ー0.01666666667+i

 

この数値をXにメモリーします。

「STO」「)」

電卓の表示画面~Ans→X  ー0.01666666667+i

 

次に、Yを変換します。

「tan」「ALPHA」「S⇔D」「)」「+」「ENG」「=」

電卓の表示画面~tan(y)+i  60+i

 

この数値をyにメモリーします。

「STO」「S⇔D」

 

 

(Ex-Fy)÷(xーy)の式にそれぞれのメモリーに入っている数値を入力します。F点はMにメモリーされています。

 

「(」「ALPHA」「COS」「ALPHA」「)」「-」「ALPHA」「M+」「ALPHA」「S⇔D」「)」「÷」「(」「ALPHA」「)」「-」「ALPHA」「S⇔D」「)」「=」

 

電卓の表示画面~(Ex-My)÷(x-y)   290.1800555+317.8166676i

この数値の実部のみ取り出します。

「OPTN」「3」「ANS」「=」

電卓の表示画面~ReP(Ans   290.1800555

この数値が交点GのX座標です。

 

次に、Y座標を求めます。

「(」「Ans」「-」「ALPHA」「COS」「)」「×」「ALPHA」「)」「=」

電卓の表示画面~(AnsーE)×X   310.8033324-5.82294446i

この数値の実部、310.8033324がG点のY座標です。

 

それぞれの数値を四捨五入して、G点の座標値は、(290.18  310.80)となります。

 

 

それぞれの面積(地積)を求めましょう。

土地の形が四角形の場合は、次の式に代入して計算します。

 

甲土地の場合、

Conjg(AーG)(EーF)÷2

計算結果の虚部が面積になります。

 

 

 

土地の形が三角形の場合は、次の式に代入して計算します。

 

△FGDの場合、

Conjg(F-G)(F-D)÷2

計算の結果の虚部が面積になります。

 

多角形の場合でも、四角形と三角形に分けて、最後に合計すれば、全体の面積がわかります。

 

 

 

 

 

 

 

 

甲土地(5-1)の面積を求めます。

A、E、G(x)、Fにはそれぞれの座標値がメモリーされているとします。G点の座標値は、「x」にメモリーしています。

「OPTN」「2」「ALPHA」「(ー)」「ー」「ALPHA」「)」「)」「(」「ALPHA」「COS」「ー」「ALPHA」「tan」「=」

電卓の表示画面~Conjg(A-X)(EーF   ー4.9084+225.0324i

この数値を2で割ります。

「÷」「2」「「=」

電卓の表示画面~Ans÷2   ー2.4542+112.5162i

この数値の虚部を取り出します。

「OPTN」「4」「Ans」「=」

電卓の表示画面~ImP(Ans   112.5162

この数値が甲土地の地積(面積)です。

 

次に、丙土地(5-3)の面積を求めます。

E,B、H(M)、G(x)にはそれぞれの座標値がメモリーされているとします。H点の座標値は「M」にメモリーしています。

「OPTN」「2」「ALPHA」「COS」「ー」「ALPHA」「M+」「)」「(」「ALPHA」「° ′ ″」「-」「ALPHA」「)」「=」

電卓の表示画面~Conjg(EーM)(BーX   75.4656+165.5676i

この数値を2で割ります。

「÷」「2」「「=」

電卓の表示画面~Ans÷2   37.7328+82.7838i

この数値の虚部を取り出します。

「OPTN」「4」「Ans」「=」

電卓の表示画面~ImP(Ans    82.7838

この数値が丙土地の地積(面積)です。

 

 

 

次に、乙土地(5-2)の面積を求めます。

乙土地は5角形なので、FGDの三角形とGHCDの四角形に分けて計算します。

F,G(x)、H(M)、C、Dにはそれぞれの座標値がメモリーさてれいるとします。

G点の座標値はXに、H点の座標値はMにメモリーしています。

 

まず、三角形FGDから求めます。

「OPTN」「2」「ALPHA」「tan」「ー」「ALPHA」「)」「)」「(」「ALPHA」「tan」「ー」「ALPHA」「sin」「=」

電卓の表示画面~Conjg(FーX)(FーD  ー0.18+10.8i

この数値を2で割ります。

「÷」「2」「「=」

電卓の表示画面~Ans÷2   ー0.09+5.4i

この数値の虚部を取り出します。

「OPTN」「4」「Ans」「=」

電卓の表示画面~ImP(Ans    5.4

 

 

次に、四角形GHCDを求めます。

「OPTN」「2」「ALPHA」「)」「ー」「ALPHA」「X-1」「)」「(」「ALPHA」「M+」「-」「ALPHA」「sin」「=」

電卓の表示画面~Conjg(XーC)(MーD   ー128.352+26.64i

この数値を2で割ります。

「÷」「2」「「=」

電卓の表示画面~Ans÷2   ー64.176+13.32i

この数値の虚部を取り出します。

「OPTN」「4」「Ans」「=」

電卓の表示画面~ImP(Ans    13.32

 

最後に三角形と四角形を合計します。  5.4+13.32=18.72

 

この数値が乙土地の地積(面積)です。