遺言に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 未成年者であっても、15歳に達していれば、法定代理人の同意がなくとも、有効な遺言をすることができる。
イ 自筆証書遺言の作成日付を「平成31年1月吉日」と記載した遺言も有効である。
ウ 自筆証書遺言については、印章に代えて、指頭に朱肉を付けて押捺することができる。
エ 遺言者が口がきけない者である場合には、公正証書遺言を利用することはできない。
オ AとBが同一の紙面にそれぞれの遺言と日付を記載した場合において、その紙面にAが署名押印をし、Bが署名押印をしていないときは、A単独の遺言として有効となる。
1 アイ 2 アウ 3 イエ 4 ウオ 5 エオ
ア 〇
遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならないが、未成年者であっても、15歳に達した者は、遺言能力を有するとされ、法定代理人の同意がなくとも、有効に遺言をすることができる。
イ × / ウ 〇
自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならないとされているが、日付については、遺言書作成の時点で遺言能力があったかどうか、及び遺言の前後を確定するために要求されるものであるから、それが明確でない場合は無効である。
本肢のように、年月の下に吉日とだけ記載されているものは無効である。また、印については、実印であることを要せず、認印でもよく、さらに指印でもよいとされている。
エ ×
公正証書によって遺言をするには、遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授し、公証人が遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させることが必要であるが、口がきけない者が公正証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述し、又は自書して口授に代え、公証人が、遺言者の通訳人の通訳による申述又は自書を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させなければならないとされている。
オ ×
遺言は、2人以上の者が同一の証書ですることができない。2人以上の者が同一の証書でした遺言は無効である。単独の遺言としても有効とはならない。