平成20年度 問題5

次の対話は、建物に関する教授と学生との対話である。教授の質問に対する次のアからオまでの学生の解答のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

 

 

教授: 既登記の建物が老朽化したので、外壁の化粧材をすべて張り替えて、屋根も和瓦から洋瓦にふき替える大規模改修工事を行った場合は、用途変更がなかったとしても建物に関する登記は必要ですか。

 

学生:ア 外壁材をすべて張り替えて屋根材まで変更する大規模改修工事を行ったのですから、建物の表題部の変更の登記が必要になります。

 

教授: ところで、建物の所有権の登記名義人Aの息子Bが全額を負担して増築工事を行い、AがBにその出資に見合った当該建物の持分の譲渡をした場合において、工事完了後の増築部分が区分建物の要件を満たしていないときは、どのような登記を行いますか。

 

学生:イ 区分建物ではないので、共有者であるAと息子Bの2人からの申請により、床面積が増加したことによる建物の表題部の変更の登記を行います。

 

教授: では、上記の質問で、もし、A所有の建物が未登記だった場合は、どのような登記ができますか。

 

学生:ウ 建物が未登記の場合は、建物の表題部の変更の登記をすることができませんので、AとBを共有者とする建物の表題登記を行うことになります。

 

教授: それでは、登記されている建物に附属建物があり、この附属建物だけ取り壊したときは、どのような登記を行いますか。

 

学生:エ 附属建物の取壊しの場合は、附属建物の滅失の登記を行うのではなく、建物の表題部の変更の登記を行います。

 

教授: では、附属建物として登記されている建物部分を取り壊し、その附属建物と種類・構造・床面積がすべて同じ附属建物を、全く同じ位置に新しく建て直した場合はどうなりますか。

 

学生:オ 不動産の表示に関する登記は、不動産の現況を公示するものですから、種類・構造・床面積がすべて同一で位置も全く同一ならば、現況と登記が一致していることになります。したがって、当該附属建物の建物図面及び各階平面図の変更が必要なく、建物が一致しているので、建物の表題部の変更の登記は必要ありません。

 

 

1 アイ   2 アオ   3 イウ   4 ウエ   5 エオ

 

 

平成20年度 問題5 解説

正解 4