平成29年度 問題3

相続人がA及びBの2名存在する場合における相続に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

 

 

ア 相続人Aは、いったん相続の承認をしたが、自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内であれば、その承認を撤回することができる。

 

イ 相続人Aが単独で単純承認をした場合、相続人人Bは、限定承認をすることができない。

 

ウ 相続人Aは、相続の放棄をするためには、相続の放棄について相続人Bの承諾を得る必要がある。

 

エ 相続人Aは、限定承認をした場合には、以後、善良な管理者の注意をもって、相続財産の管理を継続しなければならない。

 

オ 相続人Aが相続の放棄をし、相続人Bは単純承認をしたが、相続財産たる表題登記のみがある不動産について、Aの債権者の申請により代位による所有権の保存の登記がされた後、Aの法定相続分に対する仮差押えの登記がされたときは、この仮差押えの登記は無効である。

 

 

1 アウ   2 アエ   3 イウ   4 イオ   5 エオ

 

平成29年度 問題3  解説

正解 4

ア ×

いったん承認・放棄がなされると、熟慮期間中でも撤回することはできない。

 

イ ○

限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみすることができる。

 

ウ ×

相続放棄は家庭裁判所へ申述する方法によってする。他の相続人の承諾を得る必要はない。

 

エ ×

限定承認者は、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産の管理を継続しなければならない。

 

オ ○

相続の放棄をした者は、相続開始当初から相続人ではなかったものとみなされる。