平成29年度 問題4

次の{文章}中の( ① )から( ⑦ )までの空欄に後記の{語句群}の中から適切な語句を選んで入れると、不動産登記に関する文章となる。( ② )、( ③ )、( ⑤ )及び( ⑦ )の空欄に入れるべき語句の組合せとして最も適切なものは、後記1から5までのうち、どれか。ただし、文章中の【 A 】及び【 B 】には適切な語句が入るものとし、同一の数字又は記号には同一の語句が入り、異なる数字又は記号には同一の語句は入らないものとする。

 

 

{文章}

不動産登記法は、不動産の【 A 】及び不動産に関する【 B 】を公示するための登記に関する制度について定めることにより、国民の権利の保全を図り、もって取引の安全と円滑に資することを目的とする。【 A 】に関する登記は、登記の対象となる不動産の( ① )を公示し、当該不動産を特定することを目的としており、【 B 】に関する登記は、当該不動産の( ② )を公示することを目的としている。【 A 】に関する登記と【 B 】に関する登記は、登記簿に( ③ )を一筆の土地又は一個の( ④ )ごとに( ⑤ )に区分して、登記記録として記録することにより行う。

民法では、土地及びその( ⑥ )は不動産と規定しているが、不動産登記法では、土地又は( ④ )を不動産と定義している。さらに不動産登記規則は、登記の対象となる( ④ )は、屋根及び周壁又はこれらに類するものを有し、土地に定着した建造物であって、その目的とする( ⑦ )に供し得る状態にあるものでなけらばならないとしている。

 

 

{語句群}

登記情報、  権利関係、  登記事項、  不動産番号、  物理的状況、  表題部と権利部

甲区と乙区、  種類、  用途、  定着物、  建物、  従物

 

 

 

   ( ② )   ( ③ )     ( ⑤ )    ( ⑦ )

1  権利関係     登記情報    表題部と権利部     種類

2  物理的状況    登記情報    甲区と乙区       種類

3  物理的状況    登記情報    表題部と権利部     用途

4  権利関係     登記情報    甲区と乙区       種類

5  権利関係     登記情報    表題部と権利部     用途

 

 

 

平成29年度 問題4 解説

正解 5

A~表示、B~権利

不動産登記制度は不動産の物理的状況を公示する表示に関する登記と不動産の権利関係を公示する権利に関する登記の2つの柱で構成されている。

 

①~物理的状況、②~権利関係

不動産登記の目的は、不動産に関する権利関係を登記記録に公示し、不動産取引の安全と円滑を図ることにある。そのためには、権利の客体である不動産の物理的現況を登記記録に公示する必要がある。

 

③~登記事項、④~建物

土地は1筆、建物は1個と数えられ、それぞれ一不動産ごとに一登記記録が管轄登記所に備え付けられる。これを一不動産一登記記録主義という。表題登記がなされると申請に係る不動産について登記記録が作成される。登記記録として登記すべき事項のことを登記事項という。

 

⑤~表題部と権利部

登記記録は、表題部と権利部により構成される。さらに、権利部は甲区と乙区に区分される。

 

⑥~定着物

民法では、土地およびその定着物を不動産と定義している。一方、不動産登記法では、土地または建物を不動産と定義している。

 

⑦~建物とは、屋根および周壁、またはこれに類するものを有し(外気分断性)、土地に定着した構造物であって(定着性)、その目的とする用途に供しえる状態にあるもの(用途性)をいう。