【統括防火管理者】とは?

【行政書士西尾真一事務所】

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統括防火管理者とは、雑居ビルなどの複数のテナントが存在する建物で、それぞれのテナントでオーナーや管理者がおり、管理について権原が分かれている対象物に必要な防火管理者です。

 

この場合、各テナントごとに防火管理者の選任が必要になり、そのリーダーとして統括防火管理者を選任します。

 

統括防火管理者は、それぞれのテナントの防火管理者と連携・協力し建物全体についての消防計画の作成、消防計画に基づく消火・通報・避難訓練の実施、廊下や階段等の共用部分等の避難上必要な施設の管理その他建物全体についての防火管理上必要な業務を行います。防火管理を統括的におこなう防火管理者のリーダー的存在です。

 

統括防火管理者には、廊下等の共用部分の物件撤去、建物全体の消火・通報・避難訓練の不参加者に対して参加を促すことなど、各防火管理者への必要な「指示権」が付与されます。

 

役割は下記のとおりです。

【建物全体の防火管理に係る消防計画の作成】

統括防火管理者が作成する消防計画に定めるべき事項は、以下のとおりです。

 

1 管理権原者の権原の範囲に関すること。

 

2 防火管理上必要な業務の一部委託をしている場合における、受託者の氏名及び住所、業務の範囲及び方法に関すること。

 

3 消防計画に基づく消火、通報、避難の訓練その他防火管理上必要な訓練の定期的な実施に関すること。

 

4 廊下、階段、避難口、安全区画、防煙区画その他の避難施設及びその案内に関すること。

 

5 火災、地震等その他の災害が発生した場合における消火活動、通報連絡及び避難誘導に関すること。

 

6 火災の際の消防隊に対する必要な情報の提供及び消防隊の誘導に関すること。

 

7 その他、防火管理に関し必要なこと。 

【建物全体の消火、通報、避難訓練の実施】

建物全体の消火、通報、避難訓練を実施する際は、管轄消防署への届出をしましょう。

廊下や階段等の【共用部分等の避難上必要な施設の管理】

廊下、階段室など、各テナントで共同で使用しなければならない部分には、物品などを置かず、避難時に有効に使用できなければなりません。

【各テナントの防火管理者に対する「指示権」】について

統括防火管理者は、各テナントの防火管理者に対して、その権限の範囲において必要な措置を指示することができます。

 

例えば、廊下などの共用部分に置かれているテナントの物品を撤去することの指示や、建物全体の消火、通報、避難訓練に参加しないテナント関係者に対して参加を促すことについての指示などです。