【防火管理者が必要な対象物】とは?

【行政書士西尾真一事務所】

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防火管理者が必要な対象物は、一定の規模以上の建物で、その用途と収容人員により、それぞれ定められています。建物の面積や消防設備の有無には関係ありません。

 

収容人員の数え方はこちらをクリック

 

百貨店、旅館、地下街などの不特定多数の者が利用する施設、また、病院、社会福祉施設、幼稚園など行動にハンディキャップがあり、火災が発生した場合、人命に及ぼす危険性が高い施設(このような対象物を特定防火対象物といいます。)で、収容人員が30人以上の対象物には、防火管理者が必要です。

 

また、それ以外の施設(非特定防火対象物といいます。)でも収容人員が50人以上であれば、防火管理者が必要な対象物に該当します。

 

① 特定防火対象物~30人以上

② 非特定防火対象物~50人以上

 

そして、防火管理者が必要な対象物では、「防火管理者」を選任しなければなりません。

 

防火管理者とその資格についてはこちらをクリック

 

【具体例】

 

〇私は、中華レストランを経営し、従業員が8名、客席が25席あります。防火管理者は必要でしょうか?

 

➡中華レストランは飲食店であり、3項ロに該当し特定防火対象物です。さらに、従業員と席数を足した数が33人ですので、30人以上に該当し、防火管理者を選任し消防署へ届出を提出しなければなりません。

 

〇私は、一戸建てでリサイクルショップを経営し、従業員は3名、売り場の面積は40㎡、休憩室は9㎡の建物です。防火管理者は必要でしょうか?

 

➡リサイクルショップは物品販売店舗であり、4項に該当し特定防火対象物になります。従業員が3名、売り場面積の40を4で割った数の10、休憩室の9を3で割った数の3をそれぞれ足し、3+10+3=16。合計で16名になります。30名未満ですので、防火管理者の選任は必要ありません。

 

〇私の会社は、物品の流通の会社であり、事務所には35名の社員がいます。防火管理者を選任しなければなりませんか?

 

➡通常の事務所は15項に該当し、非特定防火対象物に該当します。さらに、従業員が35名ということで、50名未満ですので、防火管理者の選任は必要ありません。

 

 

それぞれの用途で、収容人員以上の人数がいれば、防火管理者の選任と届出が必要になります。

区分           用        途 収容人員
 1項  劇場、映画館、演芸場、観覧場 30人以上
公会堂、集会場
2項 キャバレー、カフェー、ナイトクラブなど
遊技場又はダンスホール
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第5項に規定する性風俗関連特殊営業を営む店舗(2項二、1項イ、4項、5項イ、9項イの用途のものを除く)その他これに類するものとして総務省令で定めるもの
カラオケボックスその他遊興のための設備又は物品を個室において客に利用させる店舗で総務省令で定めるもの
3項 待合、料理店など
飲食店
4項 百貨店、マーケット、物品販売店舗、展示場
5項 旅館、ホテル、宿泊所など
寄宿舎、下宿、共同住宅 50人以上
6項 病院、診療所、助産所 30人以上
老人短期入所施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、有料老人ホーム(おもに要介護状態にある者を入居させる施設)、介護老人保健施設、救護施設、乳児院、障害児入所施設、障害者支援施設(おもに障害の程度が重い者を入所させる施設)、老人短期入所事業若しくは認知症対応型老人共同生活援助事業を行う施設、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に規定する短期入所若しくは共同生活介護を行う施設(おもに障害の程度が重い者を入所させる施設) 10人以上
老人デイサービスセンター、軽費老人ホーム、老人福祉センター、老人介護支援センター、有料老人ホーム(おもに要介護状態にある者を入居させる施設以外の施設)、更正施設、助産施設、保育所、児童擁護施設、児童発達支援センター、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設、児童家庭支援センター、身体障害者福祉センター、障害者支援施設(おもに障害の程度が重い者を入所させる施設以外の施設)、地域活動支援センター、福祉ホーム、老人デイサービス事業若しくは小規模多機能型居宅介護事業を行う施設、児童発達支援若しくは放課後等デイサービスを行う施設(児童発達センター以外の施設)、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に規定する生活介護、短期入所、共同生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援若しくは生活共同援助を行う施設(短期入所等施設以外の施設) 30人以上
幼稚園、特別支援学校
7項 学校等 50人以上
8項 図書館、博物館、美術館など
9項 公衆浴場のうち、蒸気浴場、熱気浴場など 30人以上
公衆浴場(蒸気浴場、熱気浴場など以外の施設) 50人以上
10項 車両の停車場、船舶又は飛行機の発着場
11項 神社、寺院、教会など
12項 工場、作業所
映画スタジオ、テレビスタジオ
13項 自動車車庫、駐車場
飛行機又は回転翼航空機の格納庫
14項 倉庫
15項 事業場(1項から14項までに該当しない事業場)
16項 複合用途防火対象物のうち、その一部が1項から4項、5項イ、6項、9項イに該当する部分として使用されている対象物 30人以上(6項ロを含むものは10人以上)
複合用途防火対象物のうち、その一部に1項から4項、5項イ、6項、9項イに該当する部分を含まない対象物 50人以上
16の2項 地下街 30人以上(6項ロを含むものは10人以上)
16の3項 準地下街 非該当
17項 重要文化財 50人以上
18項 延長50m以上のアーケード 非該当
19項 市町村長の指定する山林
20項 総務省令で定める舟車